手染めのレザー始めます

こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。

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日中は30℃ともう真夏日が多い姫路です。
姫路は兵庫県内でも猛暑になりますから、今年の夏も思いやられます。

さて、私は以前から日本経年変化協会の会長が理想とするレザーを作り出してやろうと個人的に思っております。

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以前、姫路レザー有限会社で副社長を務めていた時に会長の要望に100%応えられなかったレザーが2つあります。

①茶芯レザー(ヴィンテージに忠実な仕上げ)
②手染め用の下地レザー

 この2つ。一つ目の茶芯レザーは当社オリジナルレザーである『茶芯レザー・リバイバル』で見事に要望に応えることができたと自負しております。

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そして、私にとって忘れなれない大失態が2つの手染め用レザーです。姫路レザー有限会社時代の私にとって最悪の思い出であります(笑)。試作サンプルを会長の懇意にしておられる手染めで製作するレザー職人の前でプレゼンし、いざ実演と言うところで上手く染まらない。挙句の果てに強度不足で破けると言う大失態を演じてしまいました。これは恥ずかしくもあり、悔しい苦い思い出です。
会長も笑っておりましたが、恐らく苦笑いで内心怒っていたかもしれません。しかしレザーも色んな失敗を繰り返し生まれてきます。結局手染め用のレザーは実売には至りませんでした。

会長もあれから何も言わずにその時のエピソードも一切触れませんでしたが、姫路の地場産業であるレザーに携わる者として私も意地があります。独立してからも私は決してあの日の出来事を忘れていませんでした。そして先日、久しぶりに会長が姫路にやって来た時にお披露目してやりました。会長もビックリしていたので、これは世に送り出したいと思い今回ご紹介致します。

 

手染め専用レザーその名も『Naked』

今回ご紹介するレザーはこちら

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手染め専用レザー:『Naked』
素材:牛革(Aクラス原皮)
鞣し:ハイブリッド鞣し
カラー:ナチュラ
サイズ:250ds前後
厚み:1.5mm
価格:75円/ds

手染めを行っている職人さんであれば常識的に思われている事。

「手染め用のレザーはフルタンニンレザーじゃないと出来ない。」

皆様専用の高価なレザーを探し求められている方々が多いです。実際に。手染め用にフルタンニンレザーを精製すると強度が一般的なヌメ革よりも劣ると言う事実もあり、扱いが難しいレザーと言えます。

タンニン多めのハイブリッド鞣しを行うことで靭やかかつ、強度のあるレザーに仕上げました。会長から

「マジで?また挑戦してるんですか・・・。色試しました??また色入らないんじゃないないですか?」

と。この瞬間を待っておりました(笑)。手染めも試験済みです。それがこちら。

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手染めの名刺ケース。会長を驚かせてやろうと秘密裏に今年に入り当社創業時から仕込んでおりました。一般的に販売されているレザークラフト用の染料で染めております。

手染めの魅力は色の濃淡を演出したり、特有の艶が革製品の愛好家の感情を揺さぶります。どうですか?会長。

「素晴らしい。ってかスゲ~。出来るんですね。北口さん気持ち悪っ!!北口さん『どや顔』ですし・・・。」

いや、なんで気持ち悪いねん(怒)。会長が感動した時は「気持ち悪い」って表現しますから、合格頂戴しました。

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会長にプレゼンする私北口(写真右)と仕上げのエキスパートの野村代表(写真左)。野村代表のコメント

「下地にえ~レザー使わなあかんけどなぁ~。そない難しいもんちゃう。」

流石です。仕上げのエキスパートはレザー精製を左右されるお仕事をされています。

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何はともあり、会長を満足させた訳で合格であり、手染めのレザーのお問い合わせも多く頂戴しておりますので、これより量産に入ります。

 

手染めの革製品について

革製品について。
一般的にはメーカーさんや革職人さんの多くは着色されたレザーを仕入れて革製品を製作します。手染めの革製品とは色がついていない無色のレザーを仕入れて自分で好みのカラーを手作業で着色していくのが手染めの革製品です。

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これは私が半年ぐらい使い込んだ手染め名刺ケース。艶があり、カラーのグラデーション(濃淡)があるのが手染めの革製品特有の魅力です。

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そして手染めの革製品は、再度手染めをし直せるところがあります。使い込んで色あせてきた時に再度染め直しが可能で本当の意味で使い込むことができます。

実は私、北口は手染めの革製品が一番大好きでして、意地でも手染め用のレザーを創りだす決意をしておりました。

手染めの革製品を作られておられる作家様。当社の自信作を是非手にとって試していただきたく思います。

皮革産地直送ならではの適正価格でお届けさせて頂きます。

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