当社オリジナルレザー『茶芯ヴィンテージ・リバイバル』
こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
本日からお仕事と言う方々が多いかと思いますが、ゴールデン・ウィークは楽しい休日が過ごせましたでしょうか?私は最後の土日はゆっくりと自宅で過ごして英気を養いました。今回ゴールデン・ウィーク前に新作のレザーを仕上げました。
私は数年前から日本経年変化協会の会長と親交があります。
以前、私は姫路レザー有限会社の副社長をしておりまして、その際会長と皮革素材の企画プロデュースに参画し、『茶芯』の経年変化を伴うレザーに着手致しました。
『茶芯』とは茶色に染色したレザーの吟面に顔料などで別色を着色したレザーで、レザー商品に製作してから使い込むことによって吟面の溶剤が剥離することによって芯の茶色が出て来る経年変化を指します。
レザー製品愛好家の方々の間では近年話題になっているそうですが、私を含めて姫路のタンナーの多くが知らない経年変化でした。当時実際にレザーを製作しても剥離の問題や会長ご自身も理想する経年変化に近いもので100%納得いくレザーでは無かったような印象を受けました。
今回、Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)立ち上げにおいて、これまで以上の専門家の方々にご協力頂くことになり、今年の正月に再び日本経年変化協会の会長に、もう一度やってみないか?と誘ってみました。幾度と彼にサンプルを見せて、その都度細かい修正がありましたが、専門家集団でしたので細かい修正に全て応え連休前に会長から「素晴らしい」と評価を頂き、連休明けの本日からこのレザーのオーダー販売を行うことにしました。
商品名:『茶芯レザー・リバイバル』
価格 :75円/ds
原皮 :牛革
鞣し :混合鞣し
厚み :1.5mm厚
サイズ:平均250ds前後
カラー:ブラック(今後色展開あり)
仕上げ:茶芯ピグメント仕上げ
企画 :日本経年変化協会
協力 :Gum-A-Mama Leathers Kobe
製作 :Himeji Total Leather Expert
販売 :Himeji Total Leather Expert
レザーの仕組み的には特別難しいものではないのですが、当時のヴィンテージレザーの質感にドンピシャで当てるのが難しかったです。
非常に艶のある仕上げを行い、張りをもたせた仕上げで1.5mm厚と言う厚みが一番しっくりきます。
張りがありますが、鞣しを丁寧に行うことにより、柔軟性も兼ね備えております。
革小物、靴や鞄、レザージャケットなど衣類にも作り手によって用途が広い汎用性の高いレザー素材に仕上がりました。
実際の茶芯の様子。1年間使い込んだ状態を再現してみました。
艶もおとなしくなり剥離と言うか自然に茶が出現しています。
この経年変化を演出するために会長は実際のヴィンテージ製品や当時の時代背景まで勉強して企画に取り組んだようです。その様子は会長のブログをご参照下さい。
改めて経年変化の概念に遡り『茶芯』を企画する - 日本経年変化協会
この茶色は実際に見えるよりも明るいベージュに近い茶色で染色しなければならないことに気づくまでに試行錯誤致しました。
混合鞣しでタンニンを調整しておりますので、コバ処理も可能です。
作家さんのいつもの作品にヴィンテージ要素を加え、経年変化が楽しみな作品へとなるかと思います。こちらのレザーはこれからブラック以外にカラーヴァリエーションも展開して継続的に製作してまいりますので、完売の場合や複数枚ご要望の場合は直接お問い合わせを頂けると助かります。
現在三枚だけ通販サイトに掲載しております。
こちらは262dsの大判の半裁となります。
こちらは244dsと平均的なサイズの半裁。
こちらは236dsサイズの半裁。
価格は全てデシ単価75円(税別)となっております。
革漉きもアドバイスさせて頂きます。
こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
前回のブログでレザーを半裁一枚から産地直送ならではの価格で仕立てることができることをお伝え致しましたところ、非常に多くの方々に関心を持って頂きました。
今回はレザーの漉き工程についてご紹介させて頂きます。
当社が取り扱うOUTLETレザーなどで
「もう少し薄いければ使えるんですが???」
などのご要望がございます、場合革漉き作業にて好みの革厚に加工してからお届けが可能です。皮革産地である兵庫県姫路市の皮革エリアにはタンナーも含めて、約80社近くの皮革関連企業・業者が立ち並んでおりますが、革の厚みを調整する漉き専門の業者もございます。
レザーでモノづくりに慣れた方々は
「1.5mm厚にして下さい。」
「1.2mm厚にして下さい。」
などとご要望を頂いております。
初心者の方々もご安心下さい。レザーで何を作りたいのか?カバンなのか?カバンであればどういったカバンなのか?革小物なのか?革小物であればお財布なのか?ベルトなのか?何を作りたいのかをお聞きして、最適な革の厚みをご提案させて頂きます。
また、これ以上薄くするとレザーそのものの耐久性が損なわれたり質感が大きく変わってしまう場合はその旨もご説明させて頂きます。OUTLETレザーではそう言った商品の場合記載もしております。
実際の漉き加工は好みの厚みに設定した専用の機械にレザーの半裁を通すと床面が削ぎ落とされ、好みの革厚となります。好みの厚みになるだけでなく、床面も綺麗に整うので、製品を製作する際には扱いやすくなるとも言えます。
当社通販サイトからのオーダーでご希望するレザーと一緒に漉き加工もカートに入れて好みの厚みをメッセージにて記載して頂くだけです。漉き加工のオーダーは下記項目となります。
端革は対象外となりますし、業者の仕事量によって余裕を見て通常のオーダーより1週間と日程を頂戴しております。もちろん、オーダー時に業者に仕事が溜まっていなければ即日の仕上げとなりますが、余裕を見ての日程を調整しております。
専門用語のお問い合わせでなく、素朴な疑問やご質問で結構ですので、何かレザーでわからないことが御座いましたら遠慮なくご相談下さい。
OUTLETと訊くと、どこか品質に欠陥があるように思われますが、私共のOUTLET対象商品には品質に欠陥はございません。
レザーは天然素材ですので、ある程度の傷はございますが、半裁販売に支障を来すような傷のある場合は今後カットレザーとして販売致します。
私共が取り扱うOUTLETレザーは
- 色、サイズ(厚み)、仕上げに数限りがある場合。
- タンナーサンプルレザー
と基本原則、在庫に限りがある場合をOUTLET対象商品とさせて頂いております。
半裁のデシ数問わずの均一価格となっておりますので、多くの場合デシ単価50円を下回っているお買い得な商品となっております。
皮革産地直送ならではの、適正価格でお届けさせて頂きます。
半裁一枚からオーダーメイド致します
こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
桜も散って、汗ばむ日も出てきました。
さて、当社は日本最大の皮革産地兵庫県姫路から産地直送価格でレザーを販売を行いますが、もう一つ皮革産地ならではの事業をご紹介致します。
今年創業以来、口コミやご紹介を頂き非常に嬉しく思います。アトリエや工房の職人の方々から多いのが、
「こんなレザーが欲しいのですが??」
「こんなカラーのレザーが欲しいのですが?」
といったご依頼を頂くことが多いです。
日本最大の皮革産地なので、多くの場合私が声をかければ、ご希望されるレザーは存在しているのですが、どうしても見つからない場合、別途ご希望のレザーを製作することが可能です。一般的に最低半裁10枚からと言われるケースが多いようですが、当社であれば半裁一枚からご希望の仕様のレザーを仕立てることが出来ます。
私からすると、特別に仕立てるので割高にはなると思われますが、オーダー頂いた職人の方々からは
「さすが、皮革産地直送です。思っていたより安くて理想のレザーが手に入りました。」
と仰って頂けるようになりました。
おかげさまで、遠方からもご依頼いただけるようになりました。
レザー一枚を特別に製作希望される場合は次のような流れになります。
②原皮の指定(牛革なのか?馬革なのか?)
③鞣しの指定(タンニンorクロムorハイブリッド)
④カラー、仕上げの打ち合わせ
⑤お見積
⑥製作
⑦納品・ご請求
実際に多いのは昔使ってたらレザーが入手できなくなったのでと言う依頼です。
革の端切れサンプルをご郵送頂けるとスムーズに製作できます。
また当社では必ず打ち合わせの後にお見積書(デシ単価)にて価格をお出し致しますので、安心してご相談頂けます。
鞣しの知識が無くても「コバを処理したいけど、予算を抑えたい」と言われましたら、ハイブリッド鞣しをご提案するなど、どのように使いたいかご希望を仰って頂けると最適な仕様をご提案させて頂きます。
オリジナルレザーも一枚製作しますとレシピを残しておりますので、追加で製作の場合はスピーディーに貴方だけの一枚をお届けできます。
こちらは現在試作中の迷彩カモフラージュレザー。
詳細はまだ公表できませんが、細かいご指定を頂戴しております。
価格だけでなく、細かいご要望までにお応えできる事も皮革産地ならではと思います。
お気軽にご相談下さい。
【OUTLET】使い勝手抜群。オイル艶出しレザー
こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
今回ご紹介するレザーは使い勝手抜群で、カバンや革小物に仕立てて使い込む事によって革らしい経年変化を楽しめるレザーです。
原皮:内地産牛革
鞣し:ハイブリッド鞣し(混合鞣し)
仕上げ:オイル熱プレス仕上げ
厚み:1.1mm厚
サイズ:210ds/224ds
カラー:キャメル
価格:10,000円(税別)
厚み1.1mm厚で革小物やカバンに最適な一枚となっております。非常に靭やかなレザーでクロム鞣しとタンニン鞣しの長所を兼ね備えたハイブリッド鞣しの代表格のようなレザーでもあります。
靭やかだけど、コシがある。
吟面には非常に艶があり、吟面に何か塗膜加工を施したのかと思われますが、実はオイル仕上げを行った後、熱プレス(巨大なアイロン装置)を行った結果吟面に非常に艶を生み出すと言う仕上げ技法です。
レザーを折り曲げても塗膜でないので、吟面が割れたりといった心配がございませんし、コバ処理も可能ですので、革小物にお薦めできる一枚です。
写真では分かりにくいかもしれませんが、色に濃淡のムラがあるのがお分かりになるかと思います。オイルをたっぷりと吟面に添加しているので、擦れたりすることで革の吟面上でオイルが動くのでプルアップなどのオイルレザーの経年変化を楽しめるのが特徴です。
キャメルと言う淡いカラーリングですので、もちろんタンニン成分経年変化でカバンや革小物に仕立てた後、長年使い込むことによって全体的に日焼けしてキツネ色に変色する経年変化も期待できます。
こちらも現在OUTLET対象レザーとして販売中です。オーダーはこちらから
OUTLETと訊くと、どこか品質に欠陥があるように思われますが、私共のOUTLET対象商品には品質に欠陥はございません。
レザーは天然素材ですので、ある程度の傷はございますが、半裁販売に支障を来すような傷のある場合は今後カットレザーとして販売致します。
私共が取り扱うOUTLETレザーは
- 色、サイズ(厚み)、仕上げに数限りがある場合。
- タンナーサンプルレザー
と基本原則、在庫に限りがある場合をOUTLET対象商品とさせて頂いております。
半裁のデシ数問わずの均一価格となっておりますので、多くの場合デシ単価50円を下回っているお買い得な商品となっております。
皮革産地直送ならではの、適正価格でお届けさせて頂きます。
【OUTLET】80年代を彷彿させるゴールドラメレザー
こんばんは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
本日は変わり種のレザーをご紹介致します。
今回ご紹介するレザーは日本経年変化協会の会長からも
「経年変化とか関係なく、レザーの歴史で意味ある一枚でカッコいい。」
と言われた一枚であります。
今回ご紹介するレザーはこちら。
原皮:北米産牛革
鞣し:ハイブリッド鞣し(混合鞣し)
仕上げ:エナメル調ラメ仕上げ
サイズ:140ds(1.6mm)
カラー:ゴールド
価格:8,000円(税別)
眩しいほどのゴールドラメレザーです。
ゴールドラメの上にエナメル調の仕上げを行うことによってラメの剥離を予防する徹底した作り込み。実はこのゴールドラメレザー昔一斉を風靡しました。
それは遡ることは1980年代のアメリカです。
当時好景気の影響でアメリカのミュージックシーンは豪華一色でしてステージ衣裳にレザーのラメが採用されることが多く、ラメのレザーはまさに一世を風靡しました。
今はなきアメリカのスターであるプリンス。彼はゴールドレザーのSTAGE衣装をこよなく愛しました。当時プリンスだけでなく、スティーヴィー・ワンダーやブルースプリンスティーンなどアメリカの大御所アーティストが好んで派手なレザーアイテムに身を包みました。後日プリンスを偲んで開かれたライブではかのマドンナもシルバーのラメ衣装で登場しました。
こうやって振り返ると懐かしいです(遠い目)。
今日では80年代の洋楽が見直され多くのカバー楽曲もございますので、このゴールドラメレザーは旬なレザー素材と言えます。
当時のラメレザーは今ではヴィンテージで見ることはできますが、当時のラメの技術は完璧とはいえず、現存するラメレザーアイテムの多くはラメの剥離が見受けられます。
今回ご紹介するレザーはラメの剥離を防ぐため、エナメル調の塗膜仕上げを施しております。
レザーをこれだけ曲げても剥離などの問題は発生しません。
エナメル調のクリア仕上げでラメの華やかさが際立っています。
当時クロム鞣し革にラメ加工を施しておりましたが、今回の原皮の鞣し技法はハイブリッド鞣しをベースに行っていますので、コバ処理などが行なえます。
ラメは吟面のみで床面は加工を施しておりませんので、ゴムのりなどの仮止めに支障をきたさないため、作り手に非常に扱いやすい一枚となっております。
当社のOUTLETラインナップは半裁一枚10,000円均一かと思われますが、当社では徹底して適正価格にこだわる事をモットーとしております。通常半裁200ds前後が一般的であり、今回の140dsは半裁でも小ぶりのサイズであると私も認識しているため、今回のこちらのレザーは半裁につき一枚8,000円と言う価格設定を行っています。
厚みは1.6mm厚と革小物にも最適な一枚となっておりますので、作り手の想像力で素晴らしいアイテムを生み出して頂けると嬉しく思います。
お買い求めこちらからお願い致します。
OUTLETと訊くと、どこか品質に欠陥があるように思われますが、私共のOUTLET対象商品には品質に欠陥はございません。
レザーは天然素材ですので、ある程度の傷はございますが、半裁販売に支障を来すような傷のある場合は今後カットレザーとして販売致します。
私共が取り扱うOUTLETレザーは
- 色、サイズ(厚み)、仕上げに数限りがある場合。
- タンナーサンプルレザー
と基本原則、在庫に限りがある場合をOUTLET対象商品とさせて頂いております。
半裁のデシ数問わずの均一価格となっておりますので、多くの場合デシ単価50円を下回っているお買い得な商品となっております。
皮革産地直送ならではの、適正価格でお届けさせて頂きます。
【OUTLET】ハイブリッド鞣し。素揚げシュリンク仕立てブラックレザー
こんにちは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。
桜が満開になりましたが、連日の風雨。昨今毎年のように満開の後の悪天候のようが気がします。さて、そんな悪天候の中、お買い得なレザーのご紹介です。
今回ご紹介させて頂くのはこちらのレザー。
原皮:北米産牛革
鞣し:ハイブリッド鞣し(混合鞣し)
仕上げ:芯染め染色シュリンク仕上げ
サイズ:257ds(2.0mm)/243ds(1.8mm)/288ds(1.5mm)
カラー:ブラック
価格:サイズ問わず10,000円(税抜)
肉厚なシュリンクレザーです。
こちらは前回のブログでご紹介致しましたクロム鞣しを行ったあと、タンニン鞣しを行うハイブリッド鞣し(混合鞣し)で精製され、染色の素揚げで仕上げているため、皺と日焼けなどの経年変化を期待できる一枚となっています。
肉厚でありながら、しなやかなであることが上質なシュリンクレザーである証です。
またハイブリッド鞣しと言えども手で揉むとギュギュと革が鳴くことから、十分にタンニン成分が含まれている事が確認できます。
レザーの吟面と床面。
丘染め染色ではなく、しっかりと芯染めの染色で仕上げております。
ラッカーなど溶剤顔料での着色を行わず、染色のみの仕上げですので、牛本来が持っていた傷やトラと言われる血管跡もそのまま残っています。
厚みは2.0mm厚、1.8mm厚、1.5mm厚とございます。漉き加工も別途承っています。
カバン本体であれば1.2mm厚に加工すると仕上がりが良いかと思います。
ただしOUTLETセール対象商品となりますので数に限りがございますので、早い者勝ちのお買い得素材とさせて頂きます。使い勝手の良いオールマイティーな一枚です。お買い求めはこちらからお願い致します。
(注)漉き加工ご希望のお客様は別途漉き加工をカートにお願い致します。
OUTLETと訊くと、どこか品質に欠陥があるように思われますが、私共のOUTLET対象商品には品質に欠陥はございません。
レザーは天然素材ですので、ある程度の傷はございますが、半裁販売に支障を来すような傷のある場合は今後カットレザーとして販売致します。
私共が取り扱うOUTLETレザーは
- 色、サイズ(厚み)、仕上げに数限りがある場合。
- タンナーサンプルレザー
と基本原則、在庫に限りがある場合をOUTLET対象商品とさせて頂いております。
半裁のデシ数問わずの均一価格となっておりますので、多くの場合デシ単価50円を下回っているお買い得な商品となっております。
皮革産地直送ならではの、適正価格でお届けさせて頂きます。
革の基本的知識
こんばんは。
Himeji Total Leather Expert(姫路トータルレザーエキスパート)代表の北口です。全国各地で桜が満開との情報で、兵庫県姫路市にも桜の名所が多く賑わってきました。
さて、先月の創業依頼多くの方々からのお問い合わせや、ご来店及びオーダーを頂きまして誠に有難うございます。モノづくりのプロの職人さんからレザークラフト初心者様まで作りたい作品にあわせて皮革産地ならではの適正価格でご満足頂ける皮革素材をご提案させて頂きたいと思います。
レザーは一般的に知られている素材ですが、意外と詳細に関しては広く知られていないようで、今回レザーの基本的な知識を纏めていきたいと思います。
レザーを使ってモノづくりをされない方は革製品といってカバンや革靴のように製品になっているのを目にすることがないと思われます。一般的に市場に多く流通しているのは牛革です。牛革の場合
(画像引用:日本経年変化協会)
上の画像のように頭からお尻にかけて背中に真っ二つに裁断する背割りと言うかたちで裁断されたものを半裁と呼びます。つまり1頭の牛から2枚の半裁が取れる事になります。
人間と同じく、牛も哺乳類で身体の部位によって皮膚の厚みが異なります。モノづくりを行う職人さんは各部位の特性を考えながらモノづくりを行っています。
ではこの半裁一枚いくらと値段が付けられていると思われがちですが、実際レザークラフトショップで同じレザーの半裁を見比べると、半裁ごとに数百円から場合によっては数千円異なることがあります。高い方が品質が良いのではなく、価格の違いの理由として、
と言うのが大きな特徴です。
10cm正方の面積(100平方㎝)を1デシ(ds)と呼びます。
この1デシ(ds)あたりの価格をデシ単価と言います。
つまり分かりやすく説明するため、デシ単価100円のレザーがあって、半裁200dsと半裁300dsのレザーでは半裁一枚あたり、10,000円の価格に差額が生まれてきます。レザーの出処は牛馬の皮膚ですから当然人間が身長が高い人、低い人。体型がポッチャリしてる人、痩せてる人と個体差があるように大きな牛から小さな牛と牛でも個体差あるので、このような価格の差が生まれてきます。これはレザーが天然素材ならではの現象かと思います。
「良い革(彼の場合上質な革を指す)はデシ80円代が一般的かなぁ~。デシ100円超えてくるとちょっと高いから、品質や色が見合ってるとか色々考えるよね~。」
との事です。皆様も同じ感覚でしょうか?
私供は産地直送ならではの適正価格でご提供したいと思うので非常に参考になりました。
レザーは鞣し方によって、素材としての特性が異なってきます。
そもそも鞣し(なめし)とは、牛馬の皮膚はそのままでは腐食してきますので、腐らないように加工することです。腐らないように加える防腐剤が地球上に元々ある植物性のものであればタンニン鞣しと呼ばれ、クロム酸の化学薬品であればクロム鞣しと呼ばれます。価格も手間暇と防腐剤の価格からタンニン鞣し革の方がクロム鞣し革より高価となっています。しかし、ここで私が言いたいことは
鞣しによる価格の違いが革の品質の良し悪しではないと言うことです。
タンニン鞣し革、クロム鞣し革双方には特性があり作りたい革製品がどちらが適しているかと言うことが重要となります。実際に日本に流通しているレザーの8割以上がクロム鞣し革であり、タンニン鞣し革の市場流通量はわずか1割前後と言われています。
ここでタンニン鞣し革、クロム鞣し革双方の特徴を簡単にご説明致します。
- 革らしい風合い
- 分厚く厚みがある
- 使い込むと変色などの革らしい経年変化がある
- レザークラフトでコバ(革の断面)が磨ける
などが挙げられます。タンニン鞣しは戦前からある鞣し技法で昔ならではのレザーとなり、その風合いを偏愛される方に好まれています。短所としては
- 一般的に思われる「革製品は重たい」と言う特有の重さ
- 変色してしまう(変色を経年変化と思うかは趣向性)
- 原皮の傷などがそのまま出やすい
- 分厚いので薄くと漉き過ぎると避けやすい
- 革製品にした際コマメなメンテナンスが必要
レザー製品を偏愛される愛好家の方々は自身が長年使い込んでレザーに生まれる傷や皺(しわ)、変色を経年変化として好み、また自らが定期的にメンテナンスをする時間も楽しみにされ、好んでヌメ革製品を選んでいます。
- 薄くて靭やかでヌメ革より軽くて丈夫
- 変色が起こりにくい
- 特別な定期的なメンテナンスが不要
ヌメ革の短所を補うような特性であり、薄く靭やかで軽くて丈夫と言うところがレザージャケットなど服飾業界や車のカーシートなど工業の分野など幅広い業界で様々な用途で用いられてます。短所としては
- 革らしい風合いはヌメ革より劣る
- ヌメ革のような革の厚みがない
この特性から考えると一般的にはクロム鞣し革が普及するのは自然なのかもしれません。革らしい風合いを求めるような少しコアなレザー愛好家にはタンニン鞣し革が遥かに魅力的に感じ選ばれるのだと思います。
クロム鞣し革の特徴である軽くて丈夫な長所にやっぱり昔ながらのタンニン鞣し革特有の風合いの要素を加えたい。このようなニーズが高まって近年ではハイブリッド鞣しと言う鞣し技法が急速に広まってきました。
ハイブリッド鞣しとはクロム鞣し革を再度タンニン鞣しを行う技法でクロム鞣し革にタンニン鞣し革の風合いを加える為の技法です。
実は皮革産地の姫路では昔から存在した技法でワークブーツなどに用いるため精製されていました。双方の良いトコ取りでレザー初心者から愛好家の方々まで広く受け入れ始められたレザー素材です。
レザーと言う天然素材の簡単な基礎知識を纏めてみました。
私どもの理念に、現在姫路の多くのタンナーを始め専門家たちに共感して頂き、私も日々工場に足を運び、喜んで頂ける望まれるようなレザー素材を日々探し出し、作り出すように務めています。
はるばる遠方から宿泊の準備をして訪問して頂くこともございますが、日本全国の方々のご要望にできるだけお応えしたいと思い、通販サイトを立ち上げております。
現在OUTLETのレザーを販売させて頂いております。
欠陥商品と言うわけでなく、数に限りがあるタンナーさんのサンプルレザーが中心となり、サイズに関係なく半裁8,000円~10,000円にて販売しております。デシ単価では50円を切る価格となっております。
今後、作家さんのご希望されるレザーなども販売してまりますので、今後とも宜しくお願い致します。